小玉スイカの地植え栽培:小玉すいかの人工受粉と、着果した実の吊り下げ(空中栽培)

自家栽培での小玉スイカの育て方。前回は、小玉スイカ(ピノガールすいか)の追肥をしました。それから約3週間が経過。小玉すいかを含むスイカの仲間は、受粉しないと実ができない野菜なので、今回はその受粉について解説します。

小玉スイカの受粉(ピノガールすいかの人工受粉)

あと、後半は、ネットを使った実の吊り下げ方についてもお話します。(空中栽培の小玉スイカは、地這いのスイカと違って、着果した実をネットで支える必要がある。)

地植えで栽培中の小玉スイカ(空中栽培のピノガールすいか)

小玉スイカの受粉方法(ピノガールすいかの受粉の仕方)

小玉スイカの受粉(人工受粉の方法)ですが、やり方はものすごく簡単です。小玉スイカの雄花を摘んできて、雄花についている「おしべ」と、雌花についている「めしべ」をくっつけてあげるだけ。(小玉スイカの雄花は、受粉にだけ必要なので、開花したものは摘んでしまってかまいません。)

小玉スイカの雄花と雌花
小玉スイカの受粉の仕方(ピノガールすいかの人工受粉)

「おしべの花粉が、めしべにつく」というのが受粉の条件なので、できればそこを確認してください。(肉眼で確認するのは難しいかもしれませんが、なるべく見るようにして下さい。)

小玉スイカの受粉は、条件が結構シビアで、花の鮮度が超重要です。当日開花した雄花と雌花を使って、その日の午前10時頃までに受粉させること。小玉スイカの花が開花するのは、午前7時~8時くらいの間なので、花が咲いてから2~3時間しかチャンスがありません。でも、その時間帯を確保できれば、実ができる確率がグッと上がります。

小玉スイカの受粉作業をしたら、受粉した日付を記録しておくと良いです。受粉が成功すれば、受粉日から35~40日ぐらいで収穫できるようになります。(受粉が失敗した場合は、実が大きくならず、雌花が枯れて落ちてしまいます。)

小玉スイカの受粉タグ
受粉タグには、小玉スイカの受粉日を記録

小玉スイカの収穫時期は、積算温度からも計算できます。積算温度とは、毎日の平均気温を合計したもので、その日の平均気温は、(最低気温+最高気温)÷2で計算できます。小玉スイカの場合は、積算温度850~900℃になります。地点ごとの最低気温、最高気温は気象庁のサイト(各種データ・資料>最新の気象データ>気温の状況)で確認できます。

積算温度とは?

空中栽培の小玉スイカをネットで支える(ピノガールすいかの吊り下げネット)

受粉が成功した小玉スイカは、着果した実がだんだんと肥大してきます。空中栽培の小玉スイカだと、実が宙に浮いた状態になるので、吊り下げネットをかけて、実を支えます。

受粉後に着果した小玉スイカ

ネットは、メッシュタイプの巾着袋を使います。小玉スイカ用ではありませんが、ホームセンターなどの園芸コーナーで売られているので、入手しやすいと思います。(ホームセンターなどでは、野菜ネット、収穫ネットという名前で売られています。今回使うネットの大きさは50cm×30cmです。)

小玉スイカの吊り下げに使うネット

なぜ、小玉スイカの実を支える必要があるかというと、収穫が近づくにつれ、実が重くなるからです。小玉スイカが肥大してくると、実の重みでツルに負荷がかかり、曲がったり折れたりすることがあります。それを防ぐため、ネットが必要になります。

小玉スイカは、肥大すると実が重くなる

小玉スイカを支えるネットは、ハンモック型に仕立てて使います。まず、ネットの側面部分(ビニール紐が出ている側)を正面に持ってきます。

小玉スイカの吊り下げネットの仕立て方
紐が出ている側を正面に持ってくる

ネット底側の形を少し整え、麻紐で縛ります。(小玉スイカの重みで外れてしまわないよう、しっかりと。)

ネットの底を整える
底側を麻紐で縛る
ネットの底を縛ったところ

あとは、入れ口側のビニール紐を引っ張って締めれば、ハンモック型の吊り下げネットになります。

入れ口側の紐を締める

ハンモックの両端についた紐は、支柱か誘引用のネットに結ぶようにします。

両端の紐は、支柱か誘引ネットに結ぶ

吊り下げネットができたら、実際に小玉スイカを入れてみましょう。ネットの中に小玉スイカがおさまれば、今回の作業は完了です。

小玉スイカの落下防止ネット完成

動画版はこちら

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