キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの栽培(苗の植え付け)

マルチング栽培でのキャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの育て方。前回は、区画に肥料(元肥)を入れて耕し、畝を作りました。今回は苗の植え付けです。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの植え付け
キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの栽培区画

キャベツやレタス、茎ブロッコリーなど、秋から育てる野菜(秋植え)は、9月上旬頃が植え付け時期の適期です。特に、キャベツやレタスのような「結球する野菜」は、植える時期が遅れると、結球しないことがあるので注意しましょう。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの苗

苗の植え付け時期のリミットは、9月中旬(20日)頃。これ以降に植え付けということになると、結球に必要な「外葉」が十分に育たず、「キャベツが丸くならない」ということになるかもしれません。(ちなみに、スナップエンドウやイチゴなど、越冬させる野菜は、10月中旬頃が植え付け時期です。)

今回は、キャベツの苗が2株、玉レタスの苗が2株、茎ブロッコリーの苗が1株。全部で5株分の苗を植え付けるので、植え付け位置を前もって確認しておきましょう。苗同士の間隔(株間)は、40cmくらい必要になります。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの植え付け位置
茎ブロッコリーの植え付け位置は畝端から20cm
キャベツの植え付け位置は2ヶ所
玉レタスの植え付け位置は、キャベツから40cm離す

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの植え方(苗の植え付け方法)

ここからは、キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの苗の植え方です。まず、苗の植え付け位置に穴をあけます。(マルチカッターを使う。)

苗の植え付け位置に穴をあける
マルチのビニールを切る
マルチカッターを土に押し込む
キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの植え付け準備完了

植え付け位置の穴の深さや大きさを確認します。キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリー、それぞれの苗をポットのまま穴に入れてみましょう。そうすれば、植え付けする穴の深さや大きさが確認しやすいと思います。

穴の深さと大きさを確認

穴の深さは、苗の土の高さと揃えるようにしましょう。穴が深いのはNGです。土の排水性や保水性、通気性などにもよりますが、苗を深く植えてしまうと、根腐れしたり、生育不良になるリスクが高くなります。もし、穴が浅いor深い、大きいor小さい場合は、移植ゴテを使って調整しましょう。

移植ゴテで穴を調整する

植え付け穴の調整が済んだら、水を8分目まで入れます。キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの苗は、水が引いてから植えるので、それまで少し待ちます。

苗の植え付け位置を水で満たす
苗は水が引いてから植える

この「植え付け穴を水で満たす」作業は、苗の植え方において、重要なポイントの一つです。キャベツや玉レタスなどに限らず、苗から育てる野菜というのは、ポットに土が少なく、しかもその土が乾いてることが多いです。(余分な水分を減らした方が、輸送しやすいですし、輸送に使うダンボール等も濡れなくて済みます。)

人間で言うと「喉が渇いてる状態」なので、事前に植え付け場所を水で満たしておくと、その後の成長がスムーズになります。植え付け後の苗が、畑の土にしっかり根付くことを「活着した」とか「活着率が良い」といいます。

野菜の苗は繊細です。キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの苗は、傷まないように、やさしく扱いましょう。まず、苗の茎を指の間に挟み、ポットごと引っくり返します。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの茎を指の間に挟む
苗をひっくり返す

土が崩れないようにポットを返し、キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの苗をそっと取り出します。その後、苗の上下を戻し、穴に植え付けます。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの苗をポットから取り出す
取り出した苗を植え付ける

穴と苗の間に隙間があるとうまく育たないので、よけておいた土を戻して、隙間を埋めます。(畝の土と、ポットの土が密着するように。)隙間が埋まったら、根元周辺の土を軽く押さえておきます。その際、苗が傷つかないよう注意します。

土を苗の株元へ戻す
苗の土と、畑の土を密着させる

ポットの土と畑の土の間に隙間があると、根が畑の土の方へ伸びにくい(根の先に空間があると、根はそれ以上伸びていかない。)ので、苗が活着しにくくなります。活着が悪いと、生育不良になる可能性もあるので、土はしっかり密着させましょう。

植え付けで余った土は、畝の下へ落としておきます。(マルチの上に土があると、雨で跳ね返った土が野菜に付き、それが元で病気になることがあるため。)

余った土は畝の下へ落とす
マルチの上はキレイに保つ

茎ブロッコリーに関しては、茎が折れてしまわないよう、90cmの支柱で支えておきます。支柱を刺す位置は、根にかからないよう、穴の外がよいと思います。キャベツと玉レタスに関しては、支柱で支えなくても大丈夫です。刺した支柱は、株が定着して、茎がしっかりしたら外します。

茎ブロッコリーの横に支柱を立てる
茎と支柱は麻紐で結ぶ

苗を植え付けた後は、水やりをしっかりしておきます。(キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの株を畝に定着させるため。)

植え付け後のキャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーに水やり

水は、葉にかからないよう、株元に与えて下さい。上から水をザーッとかけると、はねた土が葉に付いて、それが元で病気になることがあります。葉自体も、水が直接かかると傷むことがあるので、苗への水やりは株元へするようにして下さい。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの害虫対策(トンネル&防虫ネットで虫除け)

最後は、キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの害虫予防・虫除け対策です。これらのアブラナ科野菜というのは、虫がつきやすいので、畝に防虫ネットを張ります。(支柱を使ってトンネルを作り、その上にネットをかぶせる。)

トンネル支柱(ダンポール)
キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの虫除けに使う防虫ネット

トンネル用の支柱(ダンポール)は、畝の内側に向かうよう斜めに刺し込みます。立てる数は3本。等間隔になるよう設置します。

トンネル用の支柱を土に刺す
支柱は区画に3本立てる

支柱が立ったら、その上に防虫ネットをかぶせ、トンネル状にします。トンネルの両端は結び目を作り、その結び目にUピンを引っかけ、ピンを地面に刺して固定します。ピンをネットに刺してしまうと、穴が空くので注意して下さい。

支柱の上にネットをかぶせて、トンネル状にする
防虫ネットの結び目
結び目にUピンをかけ、土に刺す

支柱側のネットの固定は、トンネルパッカーを使います。この留め具を、ネットの上から支柱にはめ込み、固定します。トンネルパッカーは、「ツメ」が付いてる方を下にして使います。(ツメを地面に少しくい込ませる。)

支柱側の防虫ネット
トンネルパッカー
トンネルパッカーを支柱にはめこむ
トンネルパッカーで支柱側のネットをおさえる

防虫ネットが余っている部分は、軽く縛ってまとめておきます。

防虫ネットが余っている部分は、軽く縛ってまとめておきます

あとは、防虫ネットの上の部分がズレないよう、洗濯バサミでとめておきます。これで、キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの植え付けは完了です。

キャベツ、玉レタス、茎ブロッコリーの植え付けと、虫除け対策完了

トンネル栽培は、キャベツや、玉レタス、茎ブロッコリーなど、秋冬野菜でよく行います。害虫除け・防寒対策になるので、覚えておくと便利ですよ。トンネルの作り方は、こちらの記事でも紹介しています。

動画版はこちら

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